こんな個人 特定とはもう出会えない気がします
当時のY本金融相は、二○○七年八月一○日の記者会見で、日本には深刻な影響はないと言い切った「Y売新聞』二○○七年八月ニ日付)。
しかし、当初から予想されたように、時間の経過とともに、日本の金融機関の発表する損失額は次々と修正され、鰻登りに大きくなっていった。
二○○七年七月時点での損失額の発表は、当時では衝撃であったが、当然ながら、現在時点では、よくもまあ損失を小さく見積もっていたものだというのが、大方の偽らざる感想であろう。
まだ正確な数値は発表されていない。
正確な数値を発表できないほど事態が深刻なのであろうが、保有しているCDOの価格算定のきちんとした基準がないので、数字を発表しようにもできないというのが真相であろう。
金融危機はどのようにして起きたか。
先に引用したN総研の『金融レポート』は、サブプライムローン問題の波及のプロセスを三段階に分けている。
第一段階は、二○○七年二月の住宅金融専門会社の破綻である。
これは、上述のごとく債権を証券化して投資会社に売って調達した短期資金で長期ローンを供与したことの無理からきたものである。
金利が上昇して、ローンの借入者が返済の延滞をするようになるだろうとの予測によって、そうした証券の購入者が激減してしまい、資金調達ができなくなってしまったのである。
第二段階は、二○○七年七月末から八月に相次いだヘッジファンドの破綻である。
ハイリスク・ハィリターンのCDOにヘッジファンドが高いレバレッジで投資していたことが破綻を急激なものにした。
資産価格が上昇基調にあれば、レバレッジは高い収益をもたらすが、逆の場面になると損失額が瞬時に莫大なものになる。
そもそも、CDOの商品設計が複雑過ぎて、真のリスクが見えなくなってしまっていた。
妥当な価格がどの水準になるか不明なまま、SIVが推奨するCDOをへツジファンドは無批判に購入していた。
しかし、元手の一○倍以上ものレバレッジは、損失額も一○倍以上にさせてしまう。
第三段階は、傘下のへツジファンドを救済するための資金が膨大過ぎて、親会社の投資銀行や証券会社は、自己資本すら取り崩さなければならなくなった。
ここから、金融のシステム危機が生じた。
二○○七年九月から一○月にかけての段階である。
投資銀行自身がオフバランス取引(貸借対照表に計上しなくてもよい)を通じるリスク・テイキングに無防備であり過ぎた。
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